「ゼロースっ! 愛してるからねー!」
ファーストエイドォ! と元気良く声が響く。
ゼロスは自分の体が暖かい光に包まれていくことに気が付く。
「ありがと、ハニー!」
こちらこそー! と元気良くは手を振った。
「だぁー、うっさーい!」
ちょうどゼロスとの間に居たロイドが、敵を弾き飛ばし距離をあけてから叫んだ。
はにこにことそれを見て、ロイドに声をかけた。
「ロイドも、愛してるよ!」
「こんな時にそんなこと言ってるなー!」
既に日常化されつつある光景に未だ慣れない者が一人吠えた。
「焼くなよ、ロイド。俺様、愛されてるー」
剣を持つ腕を適当に動かしながら、ゼロスは言う。
そして、ゼロスは知っていた。
が「愛してる」と大声で言う理由を。
ゼロスが「愛してるぜ」と言ったからだ。
驚いたような顔をして、怒ったような顔になったのを、今でも昨日の事の様に思いだせる。
「ほんと、あいされてる」
この時の目は酷く何かに怯えた目だったことに、ゼロス自身気が付いてはいなかった。